ラブランク
夢のような言葉が私に降

り注ぐ。

夢が現実になった瞬間、

私は初めて気が付いた。


−−−もう、ヒデは私の

中には居なかった。


彼が私の中から消えた時

そこには、レイがいた。

いつも優しかったレイ。

いつも気遣ってくれたレ

イ。映画館で、私の隣が

男の人だった時『こっち

の方がよく見えるよ』と

席を代わってくれたレイ

。歩く時は、車道側を歩

いてくれたレイ。ヒデに

会う私に『素直な気持ち

で話してみたら』と勇気

づけてくれたレイ。

それは当たり前じゃなか

った。私だけに向けられ

た特別なモノだった。私

はそれに甘えていた。当

たり前だと思って…。

私が子供だったんだ。自

分の気持ちも気付かない

程。

私の中は、レイでいっぱ

いだった。

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