ラブランク
口元に手を当て、ゆっく

り私に視線を向ける。


「勇気を出して、ヒデに会って良かった。…辛い事も聞いちゃったけど、彼の口から本当の事が聞けて、…それが本当に良かったと思ってる。」


「そっか…。うん、良かったね!」


優しい瞳で、私を見つめ

る。


「…私、やっと分かったの。辛い思いをしてきたのは、自分だけじゃなかった、って。」


彼はまた、私から視線を

外し、ジッと正面を見な

がら、ウンウンと頷く。

「…大事なのは、過去じゃなく、現在(いま)だって事も…。」


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