王龍
…平然を装ったつもりやった


けど、長年一緒に居る和くんにはバレてしまったらしい


いきなりギュッと抱き締められ、耳元で


「…あんまり考え込むなや…」


と囁かれた


「…ん」


普通の男なら抱き締められた瞬間にブッ倒してる


けど、和くんは…落ち着くんや


「…ありがとう。…ほな、行ってくるわ」


そう言って体を離し、部屋を出た

───────────
─────────


「…すいません」


外に座って煙草をふかしながら、何かをしていた人に話し掛ける


「…はい?」


…お、敬語


「…あの…失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」


コイツ運ええわ


うちの敬語聞ける人はあんまおらんで?





< 11 / 149 >

この作品をシェア

pagetop