王龍
「…うぅっ」


「なーちゃん?朝からどうしたの?」


「…由愛………助けて」


「えぇっ!?なーちゃん、どっか悪いの?」


「…………どうやったら、男として、見れるんや…?」


「…は?」


「わからへんねん。うち、今まで友達とか、仲間とか、舎弟としか見てなかったんやで?どうやったら男として見れるんやぁー!」


「そっか!」


うちの心の叫びを聞いた由愛は、目をめっちゃ輝かせてこっちを見てきた


ええ。それはもう、キラキラと輝かせて


「そっかぁ!なーちゃんもついに恋に目覚めたんやねっ」


「…はぁ?」


いや、それはそうですけども…


「男として見る?そんなん、相手の男っぽいところを探せばできるよ」


「………男っぽいところ」


「そうそう!例えばスポーツに熱心とか!」


「………あいつら、スポーツせんな。他には?」


「一緒に歩くとき、車道を歩くとか」


「…たまたまならあるかな。次」














「……………自分だけを見てくれて尽くしてくれる、とか」















…自分だけを見てくれる?





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