王龍
今は初夏


一番後ろの窓側の席の私は、初夏の風を感じながら、外を見た


…転校生に興味ないし


ガラッ


ドアの開いた音がしたから、多分三人が入ってきたんやと思う


そして、それと同時に………


…みんなの息を呑む音が聞こえた


なんで?と思いながら、転校生のほうを見た


………青


そいつら三人、みんな青髪に、青い目だった


…多分青龍幹部や


青髪に、青い目は、青龍幹部しか許されてへん


じゃぁ…お偉いさんってとこ?


そんなことを思いながら、また視線を外に向けた


「じゃ、自己紹介」


「篠崎 隼人<シノザキ ハヤト>」


「僕はぁ、松原 千尋<マツバラ チヒロ>」


「…水嶋 悠耶<ミズシマ ユウヤ>」


「じゃ、お前らの席は神崎さんと高峰さんの隣と、その後ろな」


ふーん。神崎さんと高峰さんの隣とその後ろかぁ…


ん?神崎さんと高峰さん?


「…は?うち?」


「…反応遅いな。あぁ。そうだ」


「…え、嫌」


「拒否権なーし」


…嫌やわ


だってうざそうやし





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