王龍
慎が幹部になってから、もう半年がたった


慎は幹部の仕事を完璧にこなせるようになっており、蝶龍という名も結構有名になっていた


「…凪瑠さぁーん」


「…お、蓮。どないしたん?」


「和志さんが呼んでましたよ?」


「…和くんが?なら、行こか。…後ろ、乗せて?」


「はいっ」


蓮のバイクの後ろに乗せてもらって、王龍の倉庫に向かう


…和くんがうちを呼び出すなんて珍しいわぁ…


何かあったんやろか?


「蓮は理由知っとる?」


「…あ、はい。だいたいは。でも、今は教えれませんよ?」


「ちぇー」


「そういえば、最近凪瑠さん、柔らかくなりました?前に比べて近づきがたさがなくなりましたよ?」


「…本間?」


「…え、はい」


そう言われてみれば、そうかも知れへん


最近由愛と、青龍幹部たちと絡みだしてからは、柔らかくなったんかもしれん


「…俺は、前の凪瑠さんのほうがよかった…」


ボソッと言った蓮の呟きはうちには聞こえんかった





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