王龍
フッ


と、自嘲的に笑い、その場を去ろうとした


「…待て。何が、おかしいんや?」


振り返れば、キレてる隼人


さっきの笑いは、高峰さんに対しての笑いととられたみたい


「…全てにおいて、やけど?」


ある意味チャンスやん


だって、コイツらも、もう、うちに近づきたくなくなるやろ?


「…最低、やな」


そう行って、隼人はうちに背を向け、去っていった


水嶋は、高峰さんを追い掛けていったから、ここにはうちと千尋しか残ってへん


「…なんであんなこと言ったのぉ?」


「…いい加減"友達ごっこ"してるのがうざくなってきたから」


「…嘘。みんなは騙せても、僕は騙せないよぉ?」


「…なんのこと?」


「…もぅ。凪瑠ちゃんは強情だね。…本当は、みんなのこと好きなくせに」


「…んなわけないやろ。…あほらし。時間の無駄や」


「…僕、凪瑠ちゃんの相談待ってるからね?つらくなったら言ってきていーよ?」


「…」





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