王龍
急いで携帯をとりだし、震える手で蓮に電話をかけた


PLLLLL PLLL…


「もしもし?」


「…外!外、見て」


「どないしたんですか?急に」


「アイツが…アイツがぁ…っ」


「…アイツがっ!?ちょっと、待ってて下さい?いま、どこですか?」


「…食堂」


「すぐ行きます」


ブチッ


一方的に切られた電話


未だに震える体を、なんとか止めようと努力したが…


…意味なかった


「…凪瑠ちゃん…」


ギュッ


突然、千尋から抱き締められて、涙がでそうになった


…ヒトって…温かい


「…とりあえず、落ちつこぉ?」


「…ん」





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