王龍
まわりから変な目で見られたけど、気にしない


否、気にする余裕がない


どうしよう、どうしよう、どうしよう………


そればかりが、頭のなかをぐるぐるまわる


「…っ凪瑠さんっ!」


「…れ、ん」


うちのために走って来てくれたのか、汗が流れ、息が切れてる


「…青龍の…?ま、今はそれどころじゃないわ。…青龍の奴、ちょっと来てくれ。…凪瑠さん、行きますよ?」


「うん…」


バタバタバタと、廊下を走り、使われてない空き教室に入った


「凪瑠さん。どんなことがあっても、絶対ここから動かないで下さい。できれば、この教室のどこかに隠れていて下さい」


「…蓮は…?」


「俺は…。おい、青龍の奴。…なにがあっても、絶対に凪瑠さんをここから出さないでくれ。…例え、俺が来ても、だ」


「…は?う、うん…」


「じゃぁ、おとなしくしていて下さいね」


そう言い残して、蓮は教室を出ていった





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