王龍
気付いてる?


そんなん、当たり前やん


うちが、下唇を噛んでる理由なんて、明らかやん……












………………………………みんなが好きやからに決まっとるやん


やけど、うちにはその資格がないねん


みんなをいっぱい傷つけたし、いっぱい泣かした


困らせた


そんなうちやもん、もう………


「………姫」


「あ、ん?何?」


「前………あんまり考え込むなって言ったはずやけど?」


「………わかってる」


「凪瑠。今のお嬢ちゃんのヒーローは………凪瑠やないんけ?」


「………修司さん」


「ほな、つまらん意地はらんで行ってき?」


「………うちが、病院抜け出すん決定事項やな」


「あぁ。強制。凪瑠ならできるはずや。荷物は任せとき」


「……………………………ありがと」


二人には聞こえないくらい小さな声でお礼を言った





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