王龍
時は過ぎ去り、早くも転校初日


ガラッ


「…自己紹介よろしく」


隣にたってるいかにも、元ヤンの先生の指示に従い


「…神崎 凪瑠」


自己紹介をした


「…それだけ?」


「…それ以外に何を言えと?」


「…チッ神崎は、一番後ろの席な」


「…」


指差された席は、ラッキーなことに窓側


…つまり、お決まりの席


その机には、"王龍幹部和志、修司の机"と彫られていた


…二人で、この机使うんは無理やから、どっちかの席やったんやな…


そう思うと、自然に笑みが零れた


「…神崎さん…って言うの?私は、松村奈緒よろしくね」


「…よろしく」


「ねぇねぇ、それよりさぁ…。他のクラスに転校して来た人って、神崎さんの知り合い?一緒の日に転校してくるって珍しいっ」


…他のクラスの転校生?


ふと、千尋の黒い笑顔が頭を過った


…まさか、ね………


ガラッ


「凪瑠ちゃーんっ♪」


「キャァァァアァアァァッ」


この声、このテンション、そして、まわりの叫び…………


…これは、まさかまさかの


「…千尋………どうしてここに?」


千尋、だった





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