先輩♀×後輩♂
「あんたなんか顔がいいだけじゃん。真尋だって顔が目当てだよ。」

本人に言われたわけじゃない。

美鈴ちゃんの言葉を信じてるわけじゃない。

だけど――…、

目の前でそう言われるのは辛い。

「あれ?さっきの勢いはどうしたんですか~?せーんぱい!?」

少女Dが言う。

―…キーンコーンカーンコーン…―

ちょうどチャイムが鳴って、私はホッとする。

「残念。予鈴鳴っちゃった。」

残念だなんて…

思ってないくせに。

「また明日ね。先輩っ♪」

そう言い残して、美鈴ちゃんたちは戻って行った。

いつもこう。

私に言うだけ言って帰って行く。

絶対に暴力はしない。

だけど――…

言葉は結構のしかかる。


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