6時57分のあの電車で
「よぉ、久しぶりやん、高橋。」
そうこうしてる内に、相手が話しかけて来た。
「よ・・・藤沢。」
・・・ははは。
おーっす、久しぶりってわけにもいかないっつーの。
藤沢が、女子ではなく、男子だったことがせめてもの救いだ。
「早くこっち来いや。」
「あ、ごめんごめん。」
そう言って、いすに座っている藤沢の前に立った。
「荷物貸しぃ。
持ったるから。それか、座るか?」
「ん・・・、ありがと。
じゃ、荷物持ってくれへん?」
「分かった。」
その藤沢の言葉を聞き、真子は荷物を渡した。