6時57分のあの電車で
あ、こいつ俺んちのの愛犬、三國レンちゃん
「ただいま。」
私は、靴を脱ぎ部屋へ入って行った。
リビングには誰もいなく、微かな寝息が私の隣の部屋から聞こえる。
その部屋のドアを開けて、顔を出し、覗いてみる。
「お兄ちゃん?
寝てるの?」
寝ているとは分かりつつも、訊いてみた。
すると、小さな声がした。
「今・・・お、き・・・た。」
本当に、寝ていたらしく、いつもしっかりしている声は、途切れ途切れで弱弱しいものであった。