6時57分のあの電車で
「真子さん?」
私の腕を掴んでいる男が、心配そうに私の顔を覗き込み、訊ねてくる。
「離してぇや。」
私は、きつく言う。
「嫌ッス!!
俺らは、真弥さんに会わせていただけるまで、毎日ここにいますから。」
私の腕を掴んだまま、すがるように男は言う。
「やめて。帰ってりぃ。」
サラッと私は、さっきと同じようにきつく言う。
この男も、しつこい奴だ。
毎日毎日来やがって。
兄貴ーーーーーー・・・真弥には、会わせないと言っているのに。