ふたりでひとつ
黄色い声で女の子たちが喜ぶ。
このクラスは男の子の方が少ない。
それで双子となれば女の子たちの瞳は輝く。

手塚 拓海 テヅカ タクミ
手塚 広海 テヅカ ヒロミ
中性的な顔立ちをした男の子だった。


「私は左。」
「私は右。」

何でも優先順位をつける二人。
担任から双子の見分けは双子にしか出来ないと
転校生の世話係を任されたのだった。

左は拓海で、右は広海だった。

校舎を案内し教科書を揃えるのを手伝った。
一週間4人で一緒にいた。

彼女たちは転校してきた日から彼らを見間違うことはなかった。
< 8 / 13 >

この作品をシェア

pagetop