世の中の

約半日、飯田友也という少年のせいで授業は中止になった。


―せっかくのいい日だったのにな…

と、友也を少し恨んだが、授業が無くなるのはいいことだった。
先生はピリピリしているが。

ドカーン!!!

また爆発が起きる、遠くから「飯田ー!!」と先生の怒鳴り声が聞こえてくる

「はぁ…」

翔は静かにため息をついた。



帰っている翔に茂みに隠れていた友也が駆け寄ってきた

「で、逃げきったんだ」

「うん!!最強の逃走者になれたぁ」

にっと嬉しそうに、八重歯を出した

「水を差すようで悪いけど、おまえ多分退学だよ」

翔はありったけの冷たい声で言ったが、友也には効果がない。

「ハハハ。別にいいよー。高校はつまらないからね」

「弁償とかさせられるかもよ?」

「公共物は壊してないから大丈夫」

「グランド壊したじゃん。てか、犯罪だよ?」

「先生は理科の実験が失敗した事故ってことにするらしいよ」

「職員室盗聴したの?」

「うん」

翔は呆れた顔になり

「はあ…」

と深いため息をついた。
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