世の中の

―あの時、私が光様を護ってさえいれば…
光様は、刺されずに済んだのに…

私のせいだわ…私が、もっと周囲を警戒しとけば…光様は…光様は…

早雪は唯の家に来てから、ずっとこの調子だった。
食事、飲み物、一切採らなかった。

最初の頃、唯も何かと声を掛けていたが、最近は諦めたのか、全くといって声をかけていなかった

「光様…許して…」



当の光は、早雪のいない日々を謳歌していた毎日毎日光を視ていた早雪。

光にとっては、聡と二人っきりになれることが嬉しかった。

「ねぇ、聡」

甘えた声で光は聡の名を呼んだ。

「何?」

ロボットとは思えないほど滑らかな口調で応える。

「私たち、ずっとずっと一緒だよね」

光は上目遣いで、聡を見る

「当たり前だろ。光、愛してるよ」

「私も愛してる」

「ずっと一緒にいよう」

「うん」

―聡といる、それだけで私は幸せ。
だから神様、この幸せを壊さないで。後は何もいらないから


光の聡に対する想いはますます強くなるのだった。

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