世の中の



おばさんたちの井戸端会議で聞いた。
あの亦部吉郎と名取愛花が十二島に別荘を建てるらしい

無駄に金が余っているんだ。俺様が貰ってやろう
金のエコだ。悪いことじゃない

どんな間取りになるのか、調べなきゃな…。忙しくなるぞ…。




「痛てっ!!!」

勉強をしていた翔の頭に紙のボールが当たった

「俺が真剣に悩んでいるのに、翔、おまえは薄情な奴だな。」

「こっちは忙しいんだ。ほっといてくれよ」
「それよりさー、あの犯人、まだ捕まってないらしいね」

翔の主張を無視し、話を続ける友也。

「あの犯人って?」

後が面倒くさいので、翔は一応話にのる

「商店街で起こった、通り魔の事件だよ」

「ああ、あれね」

「もう興味なくしちゃったの!!?」

友也の質問に、めんどくさそうに答える翔

「だって、何の進展もないもん。警察も、犯人も」

「たしかに」

友也は大きく頷いた。
「今さら記事のネタにしても、もう遅いしね」

「それなのに学校は何の対応もしないよね」
不満げに友也が言った瞬間、後ろから


「おまえが通う学校はないけどなー。飯田!!」

教師がいた。

「不法侵入ですよ。先生」

冷静に言う翔。

「おまえの所の使用人に許可貰った」

「…ちくしょー、勝手に入れやがって」

友也が悔しそうに言うと窓から飛び降りた

「あ、ここ三階」

翔が言ったが、時すでに遅し。友也は既に降りて逃げていた

「しかもちゃんと走れてるし…」

呆れながら言う翔。
その横で先生はトランシーバーみたいな機器を持ち出した。

「北東、飯田逃走」

トランシーバーみたいな機器から「了解」という声が聞こえた

―なんか…警察みたい。

< 17 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop