世の中の
「もしもし」
予想外にもでて、すこし驚いたが、すぐに冷静になり
「あ、唯だけどー、ちょっといろいろあって、家に帰れないから」
いつも通りの明るい声で言った
「わかりました」
「じゃ、よろしくねー」
そう言った後、電話を切った。
「…ふう」
また小さくため息をつくと、携帯を閉じた
「てか、何で誰もお見舞いに来てくれないの!!」
枕を壁に投げつけ、今までの不満をぶつけまくる
「私のことが、嫌いなのかっ!!」
今度は近くにあった誰かの鞄を投げつけた。
利き手じゃないので、方向は変だが、唯は気にしない
「おい、うるさいぞ」
知り合いの医者が部屋に入ってきた
「レディの部屋にノックもなしに入るなんて無礼よ!!」
と不満をぶつけるが、この医者は動じなかった
「よく言うじゃないか。便りがないのは元気の証拠って」
「…なんか、違うような気もする」
珍しく唯が冷静にツッコむと、医者は「はは」と笑い
「ま、おまえも大丈夫だし、桂たちの元に行けば?」
「桂…?誰?」
怪訝そうな顔をする唯に、医者は一言
「新一の名字ぐらい覚えとけよ」
「新ちゃんね!!新ちゃんとはどういう関係?ボーイズラブ的な?」
「俺たちボーイズって年違うしな」
返答はおかしいが、唯は納得し、つまらなそうな顔をした