世の中の




光と聡は停留所にいた聡の手には大きな鞄を持ってることから、どうやら旅行に行くらしい

「二人っきりで旅行だなんてはじめてだから…なんか緊張しちゃう」

頬を赤くして、はにかみながら光は言った。
「そうだね、僕も緊張してるかも」

光はくすくすと笑い、
「聡も?何か意外」

「何で?」

「聡って、緊張しないタイプだと思ってた」
「そんなことないよ」
「あ?怒った?ごめんね」

「大丈夫。怒ってないよ。光なら何をしても怒らないよ」

「ふふふ、ありがとう」

バスが来たので、二人は名残惜しそうに会話を中断した



「よし、行くぞ」
仁は、ソファで横になって雑誌を読んでいる新一に言った。

新一は、仁を一瞥してまた雑誌に目を落とす
「無視かよっ!!」

「行ってどーするの?」
「犯人捕まえる!!」

新一は、この人意外と無謀なんだなと思ったあと

「で、犯人の居所わかるの?」

「………」

新一は、ため息をついたあと、ポケットから数枚の紙を出し、仁に渡した

「?」

紙を受けとると、仁は怪訝そうな顔で新一を見た

「そこに、通り魔の情報がある」

そう言うと新一はまた雑誌に読み始める

「さすが元情報屋」

と感心し、その後礼をいい、家を出た

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