世の中の
※
「うーん…やっぱそう安々と見つからないね」
「そうだね」
立ち入り禁止区域に入り、犯人を捜していたが、見つからなかった
「当てが外れたかな」
友也が残念そうに言うと、その場を後にしようとした。
しかし、翔が「あ、あれ…」と言ったので、友也の足が止まる
指を指してる方を向くと人らしき者がいた
毛皮のコートが全身で覆っており、男か女かはわからなかった
「怪しいな…」
そう言った瞬間、友也はその人向かって走り出した
「ちょ…友也!!」
翔が大声で叫んだため、毛皮人間も翔たちの存在に気づき、こちらを向く
友也も足を止め、向き合ってる状態となった毛皮人間の顔を見た翔は一瞬言葉を失った
―うわぁ…美人!!
「私に何か?」
「あんた、吉原早雪さんでしょ?」
「え…?」
「はい。あなたはたしか…飯田友也くん」
「え…?」
一人だけ話についていけない翔は戸惑うことしか出来なかった
「学校はどうしましたの?」
「休んだ!!行ってもどーせ退学なるし」
友也の言葉を聞き、早雪は晩のことを思い出し、口を開いた
「そういえば昨日、先生が来ましたわ」
「あ、やっぱり?」
バツが悪そうに笑いながら言った後、友也は一応迷惑をかけたことを謝った