世の中の
「あなたは?」
早雪は翔の方を見る
「え…えっと、山本翔です」
聞かれたので慌てて応えたためか、声が上ずる。隣では友也が声を凝らして笑っていた
早雪もくすくすと上品に笑ったあと
「私が年上だからって緊張しなくても大丈夫ですわ」
「え?でも、一緒の学年ですよね?」
翔が怪訝そうな顔をしたからか、早雪は慌てて補足した
「私、留年しましたの。出席日数が足らなかったので」
「…病弱なんですか?」
早雪は首を横に振り、意味ありげにニコッと笑ったあと、「それではこれで」と言い、翔たちから離れていった
翔はずっと、早雪の後ろ姿を見つめる
「惚れちゃダメだよ」
冷めた声でぽけっとしてる翔に話かける
翔は友也に視線を移らせて、顔を赤らめて慌てて否定した
「俺は、別に…」
動揺していて、すぐに惚れていると気づくが、友也はそれを茶化さず未だ冷静に言う
「彼女、裏で何かやってるらしいから」
「か…彼女が?」
「うん」
そう言って、早雪とは逆方向に歩き出す
翔は早雪が行った方向を見た。早雪の姿はもうないが、友也に呼ばれるまでずっと見つめていた。
早雪は翔の方を見る
「え…えっと、山本翔です」
聞かれたので慌てて応えたためか、声が上ずる。隣では友也が声を凝らして笑っていた
早雪もくすくすと上品に笑ったあと
「私が年上だからって緊張しなくても大丈夫ですわ」
「え?でも、一緒の学年ですよね?」
翔が怪訝そうな顔をしたからか、早雪は慌てて補足した
「私、留年しましたの。出席日数が足らなかったので」
「…病弱なんですか?」
早雪は首を横に振り、意味ありげにニコッと笑ったあと、「それではこれで」と言い、翔たちから離れていった
翔はずっと、早雪の後ろ姿を見つめる
「惚れちゃダメだよ」
冷めた声でぽけっとしてる翔に話かける
翔は友也に視線を移らせて、顔を赤らめて慌てて否定した
「俺は、別に…」
動揺していて、すぐに惚れていると気づくが、友也はそれを茶化さず未だ冷静に言う
「彼女、裏で何かやってるらしいから」
「か…彼女が?」
「うん」
そう言って、早雪とは逆方向に歩き出す
翔は早雪が行った方向を見た。早雪の姿はもうないが、友也に呼ばれるまでずっと見つめていた。