世の中の



「ったく…本っ当最悪!!」

 右腕に包帯を巻いた少女は、暗い夜道を歩いていた。


「何が守護者よ!!本当に刺す奴が…だ、誰!?」

前から人の気配がした。顔は全く見えないが、雰囲気で、さっきのストーカー女ではないということは分かった。

「光、僕だよ」

「な…なんだ、聡か」

知り合いだと分かると、少女こと光は、安心した口調になった。

「災難だったね…ごめんね」

申し訳なさそうに聡は光に歩み寄る。

「何で聡が謝るのよ」
ストーカー女と話してるときとは対照的に少女は柔らかく笑っていた。

「僕は光の彼氏なのに…守れなかった」

「じゃあ今度は守ってよね~」

いたずらをしてる子供のように笑う光。聡も苦笑いをした後真剣な顔になり

「絶対、守るからね」

「よろしくね。私の守護者さん」

そう言って光は聡の肩をポンっと叩いた。

すると、

―ガチャン

聡の首が取れてしまった

「あ…」

雰囲気ぶち壊しじゃんと思いながら、光は大して驚きもせず、聡の首を拾って、胴体に接続した。


「あなたがロボットだと知らない人が見たらびっくりするじゃない!!」

「ごめん…」


「ま、いいや…私お腹すいちゃった!!何か作って」

「うん。分かった」


二人は暗い夜道の中、手を繋ぎ、家に帰って行った。


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