世の中の
※
「ったく…本っ当最悪!!」
右腕に包帯を巻いた少女は、暗い夜道を歩いていた。
「何が守護者よ!!本当に刺す奴が…だ、誰!?」
前から人の気配がした。顔は全く見えないが、雰囲気で、さっきのストーカー女ではないということは分かった。
「光、僕だよ」
「な…なんだ、聡か」
知り合いだと分かると、少女こと光は、安心した口調になった。
「災難だったね…ごめんね」
申し訳なさそうに聡は光に歩み寄る。
「何で聡が謝るのよ」
ストーカー女と話してるときとは対照的に少女は柔らかく笑っていた。
「僕は光の彼氏なのに…守れなかった」
「じゃあ今度は守ってよね~」
いたずらをしてる子供のように笑う光。聡も苦笑いをした後真剣な顔になり
「絶対、守るからね」
「よろしくね。私の守護者さん」
そう言って光は聡の肩をポンっと叩いた。
すると、
―ガチャン
聡の首が取れてしまった
「あ…」
雰囲気ぶち壊しじゃんと思いながら、光は大して驚きもせず、聡の首を拾って、胴体に接続した。
「あなたがロボットだと知らない人が見たらびっくりするじゃない!!」
「ごめん…」
「ま、いいや…私お腹すいちゃった!!何か作って」
「うん。分かった」
二人は暗い夜道の中、手を繋ぎ、家に帰って行った。