世の中の

「私たち三人は無敵だよーん」

立ち入り禁止区域の森で、唯はこれでもかという声で叫んでいた。
「うるせーな」
と冷たく言う仁だったが、内心安心していた。
唯がはしゃげる程元気で

「てか、腕切られただけだからね」

仁の心を読んでか、新一が無表情のまま呟いた

しかし仁には聞こえ、新一に言った

「精神的になるかもしれないだろ!!」

「……」
黙る新一にイラつく仁

「喧嘩しないの!!」
と唯。

「…別に、喧嘩はしてないよ」

新一が遠くの方を無表情のまま見つめながら言う

「喧嘩はって何だよ」
「なるほど!!嫉妬愛の悲劇というわけか!!」
「…もうそれでいいや」

唯の独特の理解についていけなくなった仁は諦めることにした。

「嫉妬?誰が?」

変なところに引っかかる新一に唯は興奮しながら言う

「新一×仁!!仁が私のことを話して、新一が焼きもちをやきました!!それでその晩、新一は仁を呼び出し―」

「はい、ストップ」

唯の妄想の世界での禁断の場に逝ったので、仁は慌てて止める。

新一は理解できないと言った顔をしたが、何も言わないので仁は気づかないふりをした。
「ゴホンッ」
と軽く咳払いし

「新一、犯人の背格好とか分かるか?」

一応、唯の話の続きをさせないため、犯人の情報を聞くことにした

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