世の中の

その表情に気づいてか否か、田中は不敵に微笑むと

「君さ、犯人を捕まえたいなら、城崎仁っていう男を頼るといいよ」

「…城崎…仁?」

「そう。そいつなら協力してくれるよ。今日の晩、そいつはあの別荘に行くから。君もいってみるといい」

「わかりました」

友也は何か不可解に思ったが、ま、いいかとすぐに思い直し

「ありがとうございました」

と表面上は純粋な笑顔を作った。

「あ、ちょっと待って」

男は飄々とした口調で

「そこに黒いバッグあるじゃん」

男が指を指した先には、たしかに黒いバッグが置いてあった。

「あ、はい」

「開けてみ」

「…はい」

言われたままその鞄のチャックを開けた。
中には、何枚かをホッチキスで止めた紙が何個かあった。
友也が田中の方をこれがどうしたと言わんばかりに見た。
田中は未だニヤニヤした顔で

「とっていいよ。一個だけ」

「…どーも」

相手の意図はわからなかったが、貰える物は貰った方がいいと友也は思ったので、適当に真ん中のを取った。

「チャックはちゃんと閉めといてね」

「はーい」





「んで、これがその紙」

「てか、意気投合してないよね?銭湯でもないし」

「感想がそこかよ」

翔は苦笑いする友也の手から紙を取った

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