世の中の
「高校生」
「そっちの奴でわかる」
仁は翔を指差した。
「えー?じゃあ何が聞きたいの?」
田中が苛立ちながら聞く。
「何で高校生のガキがここにいるんだよ」
思ったより低い声になってしまったが、友也も翔も怯えた様子ではなかったので、気にせず、黙って答えを待つ仁。
「えっとー、この子たちも通り魔捕まえたいんだって?」
「ダメだ」
田中が言ったすぐに仁は言った。
「学生に危険な目に遇わせるわけいかないだろ」
「だってさ?」
田中が友也に聞いた。
最も聞かなくても答えは既にわかってるといった顔をしていたが。
友也はその表情に気づいていたが、それについては何も言わなかった。
「行きますよ。俺らだって別に興味本意で動いてるわけじゃないです」
さっきまでとは違い、口をキュッと引き締め、仁を見ている。
「ちゃんとした理由があり、動いてます」
「……」
仁は黙って友也の顔を見ていた。
「いーじゃん!!仲間は二人より三人より五人より十人より百人の方がいいって言うし!!」
「長ぇよ。喩えが」
仁は少しため息をついたあと、柔和な笑顔を浮かべ
「わかったわかった。勝手にしろ」
「じゃあ勝手に爆破してもいいですか?」
ニヤニヤしながら友也は仁に聞く
「友也って名前…もしかしてあの学校の爆破事件…」
「はい、俺です」
「………」
仁は今度こそ呆れた顔でため息をついた。