世の中の
と、こんな暗いことを考えてると、親友の友也がやってきた。
「なーに、病み期真っ只中ですって顔してるわけ?」
「…うるさい」
友也はいつも笑っている。
とにかく明るい奴だ。
両親が友也をおいて蒸発した、と暗い過去があるのにも関わらず、明るい。
今は一人で暮らしている。
親がどっか行ったから。
それでも明るい。
友也は本当にすごい奴だ。
「ん?なんか俺、すっげー誉められてるんだけど~。嬉しいな」
「何で僕の心が読めるわけ!!?」
「透視眼を持ってるからね。ふっふっふっ」
友也は無駄にウザイ
友也は無駄にウザイ
友也は無駄にウザイ
あれ?透視眼って見るためであって、聞こえるはずがないぞ
「どっちでもいいじゃん。そんなこと。あっ!!そういや、昨日、刃物事件があったの知ってる?」
「え…知らない」
昨日僕はゲームに夢中になっており、ニュースを見てないのだ
「何で説明口調?と、何か商店街のほうなんだけどね、刃物を持った男が現れて、次々と人を刺したらしいの。犯人はまだ捕まってないらしいよ」
「こわ…」
「翔、新聞部なんだし、なんか取材みたいなのすれば?」
「いや、無理でしょ!!傷も癒えてないときに取材なんて…!!」
「ま、俺は一応頼まれたことはしたし、あの人も文句言わないでしょ。じゃあ先学校行ってるね」�
そう言って友也は走って先に行ってしまった。
僕は一応追いかけたが、俊足の裕也に鈍足な僕が敵うはずもなく…。
「あの人って…誰?」
疑問だけが、僕の中に残った。