世の中の
翔は何も考えず、ぼーっと歩いていた。
すると無意識に例の商店街に来ていた。
無意識のうちに向かっていたらしい。
警察の人がいっぱいいた。
中には一応入れるらしいが、開いている店は数件しかない。
所所、血の跡もある
翔は少し身震いした。
血を見ての恐怖からではない。
事件に対しての好奇心からだった。
「…なんだろ。このドキドキは」
―ゲームをしてる時にしか感じない、この胸のドキドキは。
犯人は捕まっていない。
だったら、僕が捕まえるしかない
僕が、僕が捕まえる!!犯人を!!!
と、無駄に意気込んだあと、開いている店の主人に事件のことを聞きに行った。
∞
「全く…おかげでこっちは商売あがったりだよ」
「……はぁ」
翔は深いため息をついた。
聞いてから約10分。店長のおっさんは、さっきから愚痴ばっかで、全く事件のことを話してくれなかった。
「おい坊主、聞いてるか?」
「え…は、はい」
「だったら、いい。で、そいつのせいでな―」
これから30分間、店長のおっさんは喋り続けた。翔は黙って話を聞いていた