teens
「……えっ?」
『昨日、もう聞いたから、だから無理。』
「………。」
『いつも、秋野から最初に聞いてた。だから、別に良かったんだ。だけど、そうじゃなくなったら終わりにしよう、って思ってた。』
「…なんだよ、それ」
『ほんと、なんだよそれ、だよね。何も変わらないなら良かったの。私がいて、秋野がいて、この景色で、変わらないなら。』
『だから、変わっちゃったらダメだって。』
「…でも、俺は…」
『秋野、私大学受かったよ。それでね、ここを出ていくから。』
『だから、じゃあね、秋野。』
小走りで学校までむかった。
それから卒業式も胸を張って出たし、
春江とも笑顔で話したし、
…秋野とは一回だけ目が合った。
どこで間違えただろう。
私たちの恋は。
どこがいけなかったかな?
大人になりたかったのに
なりきれなかった気がするよ。
大人でもなくて、子供でもなかった
あの日は遠く、美しい記憶のまま
ずっと守っていこう。