フェンス

休みが終わり、みんながぞろぞろと結果をききに講堂に集まってきた。

うかれた顔のやつや絶望に満ちた顔のやつ…

いつもと何も変わらず平然としてるやつもいる。

俺はどんな顔をしてるんだろう…

『おい!』

涼が耳元でデカい声を出す。

ぼーっとしていて涼の話を聞いていなかったらしい。

『あ、ごめん。』

『いいけどよー』

『で?なんだった?』

『真奈に好きだって言われた。』

『返事は?』

『まだ言えてない。』

『でも好きなんだろ?』

『あぁ…でも言えねえよな。』

『つらいな…』

『まぁな…あ…講堂ついた。』

講堂に入るとびっしりとパイプ椅子が並べられていた。

2人より先に真優と真奈がきていたようで前のほうで手をふっている。

俺と涼は手をふりかえし真優と真奈のいる場所に向かい隣に座った。

少しして1人の男性が舞台にあがりお辞儀をすると結果発表式を始めますと告げ校長といれかわった。

『今から結果発表式を行う。名前をよばれたら席を立ちW(ホワイト)は白いバス、B(ブラック)は黒いバスにのりこんで下さい。

尚、持ち物は全てバスに乗る前に外してバスの横にあるカートにいれて下さい。

どちらでもない人はこの式をもって卒業となります。』

校長は一呼吸おき出されていたお茶を飲んだ。

『でわ、発表します。

B…
小田原 創
三鷹 紫苑
要 尚渡
神田 涼
山本 健』

5人は『はい』と返事をした後立ち上がりバスに向かい歩き出した。

『みんな、必ずまた逢おうな。』

涼が振り返る。

『約束だよ。破ったらゆるさないから!』

気の強い真奈の目から今までに見たことのない涙がこぼれ落ちた。

『いつまでも、どこにいてもお前は俺たちの親友だ。必ずまた会えるよ。』

『涼君…またどこかで4人揃って必ず逢おうね。』

『あぁ…ほんじゃあ、まぁ…行ってきます。』

涼は最後まで笑顔で堂々とバスに向かった。


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