フェンス
『どうゆう意味よ…』
彩花さんが眉をしかめると陣野は流すように答えた。
『さぁな。まぁせいぜい悩み苦しめ。
お前達にこの世界を救うなんて出来ないんだからさっ―…』
ヴゥゥン―…ヴゥゥン―…
小さなバイブ音が微かに聞こえる。
『……綾紀さん!春斗が装置についた!』
秋斗さんが力を振り絞って声を出す。
『よし…秋斗君はここにいろ―…』
親父は胸の内ポケットから小さいケースに入っていたチップを取り出すと研究室の真ん中にあるパソコンの前に座った。
俺も親父のところへ―…
親父はチップの中身をパソコンに移しているようだ。