フェンス
第二章
真優と涼がフェンスの向こう側にいってから1ヶ月がたった。
季節は少し夏に近付いて少し蒸し暑くなった。
俺は1ヶ月ほとんどなにもせず食事とか風呂とか必要なこと以外はベットに転がったままだ。
真優と涼がいない生活はこんなに何もない毎日なんだと改めて思い知らされたようだった。
真奈もたまに家にくるが元気はない。
仕事を探しているようだがいい仕事はないと話していた。
電話の着信も真奈だけだ。
やはり2人は携帯もとられてしまったのだろう。
『真優と涼、元気かな…』
ブゥゥン…ブゥゥン…
携帯が鳴りだした。
知らないアドレス…
本文には携帯の番号と"電話して"とだけ書いてあった。
俺は真奈が携帯を変えたのだろうと思い電話をかけた。
『もしもし。真奈?』
『真奈じゃねぇよ!!俺だよ。』
『涼!?』
俺はベットから飛び起きた。
『久しぶり。元気にしてたか?』
『あぁ…ただ…大変なコト知っちまったよ。やべぇんだよ…』
『大変なこと…?』
『あぁ…裕…俺が意味わかんない事言っても信じれるか?』
『なんだよ急に…当たり前だろ…どうしたんだよ?』
突然の電話…
嬉しさがこみ上げたが喜んでる暇がないほど涼は焦っていた。