フェンス
『俺もちょっとこんがらがってて、上手く説明できねぇんだけど…とりあえず…お前のかーちゃんは生きてる。』

『は?えっ?ちょっとまて俺は母さんの死体もみたし葬式もしたぞ。』

『そうなんだけど…横にいるから変わるよ。』

そう言うと雑音の後に女の人が電話にでた。

『もしもし…裕?』

『母さん……なんで……』

確かに電話のむこうの女性の声は母の声だった。

『驚かせてごめんね。どこから説明していいのかわからないけど…。

あなたに沢山辛い思いをさせてきた事をまず謝りたい…本当にゴメン。』

『……別に…今更いいよ。なんでだかわかんないけど、生きててよかった。』

『裕は本当に優しい子ね…』

母さんは少し涙声で話を続けた。

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