あたしペット。




「あら、おかえり」

夕方家に帰るのは久しぶりだった。
成瀬さんの家に殆ど寝泊まりしているから。

でもせっかくのデートだし、ちゃんとお洒落したかった。

「ただいま。家、いたんだ」

「そりゃいるわよ。誰の家だと思ってんのよ」

お母さんは馬鹿にしたように笑った。


「恋人んとこかと思った」

「それはアンタでしょ。ね、莉奈」

「…なに?」

「アンタさぁ、うちの店で働いてみない?アンタならいけると思うわ。アタシに似て美人だし」

お母さんは夜のお店の経営者だ。
スナックにキャバクラ、いくつも店舗があるらしい。

< 26 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop