オバケの駐在所
「……待つのに
慣れてるんだろ?」
「あんな綺麗な子を
待たす男がいるかな。」
そう言うと和傘は
窓を開けて
外へ飛び出してしまった。
「あっ」と言ってる間に
大きく体を広げて
寒空の下で雨宿りをする
女の人へと向かって
片足で走り出す傘。
私はと言えば
驚きながらその様子を
ハラハラする思いで
見届けていた。
早朝とはいえ
それなりには
人も車も通る道。
そして中央線を
今にもまたごうとした時、
道の向こうから
シルバーのミニバンが
やってきて
和傘に水を跳ね飛ばし
女の人の前で
ハザードを炊いて
止まる。
運転席のおばさんと
仲良さそうに
話している所を見ると
お母さんが迎えに来たのか
女の人はそれに乗り込んで
道の向こうへと
車は走って
いってしまった。
残ったのはびしょ濡れで
立ち尽くす傘1本。
慣れてるんだろ?」
「あんな綺麗な子を
待たす男がいるかな。」
そう言うと和傘は
窓を開けて
外へ飛び出してしまった。
「あっ」と言ってる間に
大きく体を広げて
寒空の下で雨宿りをする
女の人へと向かって
片足で走り出す傘。
私はと言えば
驚きながらその様子を
ハラハラする思いで
見届けていた。
早朝とはいえ
それなりには
人も車も通る道。
そして中央線を
今にもまたごうとした時、
道の向こうから
シルバーのミニバンが
やってきて
和傘に水を跳ね飛ばし
女の人の前で
ハザードを炊いて
止まる。
運転席のおばさんと
仲良さそうに
話している所を見ると
お母さんが迎えに来たのか
女の人はそれに乗り込んで
道の向こうへと
車は走って
いってしまった。
残ったのはびしょ濡れで
立ち尽くす傘1本。