オバケの駐在所
私はその言葉を聞いて
胸を打たれる。

……なんなら私が
使ってあげたい。
お化けだからって
生涯孤独なんて
寂しすぎるじゃないか!

いつのまにか心の中に
芽生えた
和傘への共存意識は
わずかに思いの淵を
なぞらせた。

だが雨が止むまで
ここは離れない。
雨が止むまで……。

駐輪場の
トタンの屋根を叩く雨も
ベランダのサッシから
垂れる水滴も
明日の朝起きた時には
もう聞こえないだろう。

……悲しいな。
雨は神様の涙と言うが
私の心模様でもあるようだ。
止んでほしいが
降り続けてほしい
ジレンマの雨。

ああ、孤独なのは
私のほうなのか?
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