オバケの駐在所
おまわりさんは
女の子と和傘を
見送った後、
戸を閉めて
私の近くで炊いていた
ストーブを消す。
「さぁ、あと少しだ。
もう一仕事しますか。」
そう言って隣の部屋へと
おまわりさんも
行ってしまう。
そしてまた私は外の
変わらない景色へと
視線を移した。
特別何をしたい
わけではない。
ここが気に入らない
わけでもない。
しかし気づくと
レールに吊されていた
紐を自分の歯で噛みちぎり、
ゴミ箱に捨てられた
飴玉の包み紙を
ビニールテープで
何重にも巻いて
半球状の笠を作り、
スナック菓子の袋で
銀色のマントを作っていた。
危険だとは思うが
もう抑えられない。
行こう……。
私も傘のように
自由にたくましく
この時代を
生きたいから。
明日は
私もどうなるか
わからない身。
外は生憎の天気だが
旅立ちには悪くない。
どこかから口笛が
聞こえてくるのだから。
窓の縁へと飛び移ると
冷ややかな空気が
頬を伝う。
……おっと、
まだやり残した事が
あった。
女の子と和傘を
見送った後、
戸を閉めて
私の近くで炊いていた
ストーブを消す。
「さぁ、あと少しだ。
もう一仕事しますか。」
そう言って隣の部屋へと
おまわりさんも
行ってしまう。
そしてまた私は外の
変わらない景色へと
視線を移した。
特別何をしたい
わけではない。
ここが気に入らない
わけでもない。
しかし気づくと
レールに吊されていた
紐を自分の歯で噛みちぎり、
ゴミ箱に捨てられた
飴玉の包み紙を
ビニールテープで
何重にも巻いて
半球状の笠を作り、
スナック菓子の袋で
銀色のマントを作っていた。
危険だとは思うが
もう抑えられない。
行こう……。
私も傘のように
自由にたくましく
この時代を
生きたいから。
明日は
私もどうなるか
わからない身。
外は生憎の天気だが
旅立ちには悪くない。
どこかから口笛が
聞こえてくるのだから。
窓の縁へと飛び移ると
冷ややかな空気が
頬を伝う。
……おっと、
まだやり残した事が
あった。