オバケの駐在所
「身に纏ってるって
時間を止めてる
って事か?
時間は常に流れて
いるもんだよ。
昔と今が違うように、
時は刻み続けてるんだ。
君だけ滞ってちゃ
いかんなぁ。」

おじさんがおでこを
狭めて言う。

「わかってますよ!
ただの妄癖ってゆーか、
……かっこいーじゃ
ないですか!
あ〜おじさんには
わからないか
このロマンが……。
悲しいなぁ。」

「……ロマンで飯は
食えねーからな。

……さ、
外も暗くなったし
送るよ。」

おじさんはタバコを
押し潰し、
イスから立って
私の手をとろうと
したので、
おもわず払いのけた。

「あ、だ、大丈夫です。
大通りの方に出れば、
明るいですし、
1人で帰れますんで。」

私は少しあせりながら
入り口の方へ行き
戸を開けた。
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