オバケの駐在所
「君に折り入って
頼みがある。
聞いてくれないか?」
両腕で私の肩を
がっちりと掴みながら
物を申すこの男。
半ば強制的に話を
聞かざるを
得ない状態である。
「……ど、どうぞ。」
運動部の熱いかけ声が
こだまするグラウンド。
そんな固い固い
運動場の土の上を
私はローファーで
横断する。
巻き上がる砂塵は
いつのまにか革靴を
白く汚していた。
……なんか、
緊張するな。
そして私は
マウンドの辺りまで来ると
淡々とピッチングの
練習をしてる
純朴そうな彼に
話しかけた。
「ねぇ修二君、
がんばってるね。
甲子園行くんだって?」
「……ああ?」
懸命に努力する好青年に
見えた彼は
いかにも邪魔くさそうに
声をだす。
トゲのある感じ。
めんどくさそうな態度。
私は愛想よくした
つもりだったが
彼の反応は
冷たいものだ。
いかんいかん、
めげちゃいかん……。
「いや、あの……
いきなりごめんね。
邪魔しちゃったかな?
あそこの窓から見ててさ、
すごいピッチングだよね!
的にバンバン当ててるし
プロでも
なかなかできないよ。」
と言いながら
先ほどいた
1番上の端のクラスを
指差した。
とりあえずは機嫌を
良くしてもらわないと。
すると煽てがきいたのか
球を投げようと
振りかぶった体が
ピクリと反応する。
頼みがある。
聞いてくれないか?」
両腕で私の肩を
がっちりと掴みながら
物を申すこの男。
半ば強制的に話を
聞かざるを
得ない状態である。
「……ど、どうぞ。」
運動部の熱いかけ声が
こだまするグラウンド。
そんな固い固い
運動場の土の上を
私はローファーで
横断する。
巻き上がる砂塵は
いつのまにか革靴を
白く汚していた。
……なんか、
緊張するな。
そして私は
マウンドの辺りまで来ると
淡々とピッチングの
練習をしてる
純朴そうな彼に
話しかけた。
「ねぇ修二君、
がんばってるね。
甲子園行くんだって?」
「……ああ?」
懸命に努力する好青年に
見えた彼は
いかにも邪魔くさそうに
声をだす。
トゲのある感じ。
めんどくさそうな態度。
私は愛想よくした
つもりだったが
彼の反応は
冷たいものだ。
いかんいかん、
めげちゃいかん……。
「いや、あの……
いきなりごめんね。
邪魔しちゃったかな?
あそこの窓から見ててさ、
すごいピッチングだよね!
的にバンバン当ててるし
プロでも
なかなかできないよ。」
と言いながら
先ほどいた
1番上の端のクラスを
指差した。
とりあえずは機嫌を
良くしてもらわないと。
すると煽てがきいたのか
球を投げようと
振りかぶった体が
ピクリと反応する。