オバケの駐在所
そんなハジメさんに
後ろから
抱きしめられている形に
なっていた私を
彼はゆっくりと離すと
向こうに行けと
手で払う仕草をする。
私はそれに従って
後ろに回ってみれば、
黒縁のメガネをかけて
古風な黒ネズミ色の
羽織りを着た
太ったおじさんも
狐の前に立ちはだかって
呪文みたいに
何かを唱えながら
数珠を握っていた。
「よかったねお嬢ちゃん。」
この人は編入の
手続きの際に
話した事があったので
知っている。
この学校の校長で
名前は確か影森正吉。
ぽんぽこと同じ名前……。
そして驚いたのは
実演棟の影に
晃君と志野ちゃんが
その様子を窺いながら
身を丸めて隠れていた事。
キョトンとした
表情の修二君も……。
いや……、
こっちが本物だよね……?
っていうか
あの貫かれた方は
一体なに?
後ろから
抱きしめられている形に
なっていた私を
彼はゆっくりと離すと
向こうに行けと
手で払う仕草をする。
私はそれに従って
後ろに回ってみれば、
黒縁のメガネをかけて
古風な黒ネズミ色の
羽織りを着た
太ったおじさんも
狐の前に立ちはだかって
呪文みたいに
何かを唱えながら
数珠を握っていた。
「よかったねお嬢ちゃん。」
この人は編入の
手続きの際に
話した事があったので
知っている。
この学校の校長で
名前は確か影森正吉。
ぽんぽこと同じ名前……。
そして驚いたのは
実演棟の影に
晃君と志野ちゃんが
その様子を窺いながら
身を丸めて隠れていた事。
キョトンとした
表情の修二君も……。
いや……、
こっちが本物だよね……?
っていうか
あの貫かれた方は
一体なに?