オバケの駐在所
「待って。
今日はもう雨で
部活も休みだし、
あの体力バカ2人は
置いとくとして、
一緒に帰らない?
アカツキさん。」

私はその言葉が
とても嬉しかった。
私が待っていたのは
これだったんだ。
一緒に帰ってくれる友達。
気が合う友達。
照れくさいが
寂しかったんだ。

「いいよ。
でも呼ばれるのは
下の名前がいいな。」

……そういえば
狐のオバケの
ちぎれた尻尾が
見つからないって
ハジメさんが言っていた。

それに似たようなのが
志野ちゃんの
お尻から生えてるのは
秘密にしといたほうが
いいだろうか?




その後の彼らは
怒涛の勢いで練習に励む。
時々肩を抑えたり
足を引きづったりと、
とりあえずゴキブリの
面倒は私が
見てるとは言え
後遺症は多少残るらしい。

それでも1年間
休まずめげず
頑張ってきた甲斐あってか
少しずつ本調子に
戻ってきたようだ。

雨に打たれようが
風に吹かれようが
努力してきた日々は
裏切らない。

そして訪れた
夏の全国野球選手権
予選の一回戦、
奇しくも対決するは
修二君がシニアの時に、
都で唯一
打たれたと言う、
ライバルがいる
強豪チームであった。
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