オバケの駐在所
「なら、わしを
絞め殺してみろ。
悔しいだろう?
赤子の沐浴なんか
させられて。
どうだ?化け物の威厳を
忘れんじゃねぇよ。」
わしが詰め寄ると
おののいた姿勢のまま
笑いを漏らし反応する女。
「ならば、ぬー様が何か
弱みを見せた時
仕返しをする事と
致しましょう。
つけ狙うのでどうか
お気をつけ下さいまし。」
……こいつは。
そんなやりとりをしていた
その時、わしは
何か嫌な気配を感じた。
百戦錬磨のわしが
今まで幾度となく
味わってきた、
足の先まで
ビリっとしびれつく
恐怖の感覚。
……何かが来る。
思わず目の前にいる
赤子を抱えた濡れ女を
強く突き飛ばすと、
その瞬間に雲の隙間から
出てきた何かが
不意にわしの体を
血しぶきとともに貫いた。
目の端で捉えたのは矢。
射抜かれた衝撃。
雲の下から一閃して
飛んできた矢のせいで
わしはバランスを崩し
地表に広がる多摩の湖へと
体ごと真っ逆さまに
叩きつけられて
しまったのだ。
絞め殺してみろ。
悔しいだろう?
赤子の沐浴なんか
させられて。
どうだ?化け物の威厳を
忘れんじゃねぇよ。」
わしが詰め寄ると
おののいた姿勢のまま
笑いを漏らし反応する女。
「ならば、ぬー様が何か
弱みを見せた時
仕返しをする事と
致しましょう。
つけ狙うのでどうか
お気をつけ下さいまし。」
……こいつは。
そんなやりとりをしていた
その時、わしは
何か嫌な気配を感じた。
百戦錬磨のわしが
今まで幾度となく
味わってきた、
足の先まで
ビリっとしびれつく
恐怖の感覚。
……何かが来る。
思わず目の前にいる
赤子を抱えた濡れ女を
強く突き飛ばすと、
その瞬間に雲の隙間から
出てきた何かが
不意にわしの体を
血しぶきとともに貫いた。
目の端で捉えたのは矢。
射抜かれた衝撃。
雲の下から一閃して
飛んできた矢のせいで
わしはバランスを崩し
地表に広がる多摩の湖へと
体ごと真っ逆さまに
叩きつけられて
しまったのだ。