オバケの駐在所
柄杓を持った青白い手が
水面から突き出てきて
湖に残された小舟に
水を汲み入れるのを
なんとなく眺める。

ただただそれを繰り返す
得体の知れない手。

何を思って
生きているのだろう。

餓鬼達はなんで
矢を使った?
頭いい真似しやがって。
しまいには毒だ。

いくらわしが最強だからって
人間みてぇな
小ずるい事を……。

気に食わねぇなぁおい。

空を飛んでいく2人の横で
餓鬼達が1匹1匹
折り重なっては転げ落ちて
塔のように高く
黒雲を目指すのが見えた。

互いに目的は一緒であろう。
そのまま牽制しながら
空へ昇って行き
そしてついには
1本の矢が飛び
鉛を飛ばす銃声がして
両者間を激突させる
戦いののろしが上がった。

黒雲からは
ここぞとばかりの雷。
そして警官が
連れてきた変な鬼からも
たびたび閃光が放たれ
鬼どもを焦がしている。

なんだなんだ?
わしはシカトか?

……くくく。
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