オバケの駐在所
「ああ、気持ちいいなぁ!
こんな大ケンカ
何年ぶりだろう。
下にいるのは雑魚か?
上にいけば強いのか?
ならばてっぺんに
行くまでよ!」

活気あふれる小競り合いを
おおいに楽しみながら
目の前の敵を
蹴散らしていく事。

派閥や縄張り等の
くだらない争いではない。
強さを競う単純なケンカだ。

頬を殴られれば
頭を潰してやるし
足を切られれば
五体不満足にし返す。

「…上等だぜぇ〜。」

そして矢継ぎ早に
刃向かってくる
妖怪どもを端から叩き潰し
ついにはそこに
登りつめてしまった。

そこは強い風が吹きすさび
地表に引っ張られるような
言い知れぬ緊張感が漂う。

……赤ん坊に
感謝せんといかんなぁ。

わしの目の前に浮かぶは
高温の光を吐く銀色の鬼と
1人の警官であった。
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