オバケの駐在所
「……あいつはなんだ?
妙な角を生やしていたが。」
男は手を後ろで組んで
物寂しげに空へ消えた光を
仰いでいたが
一呼吸して答える。
「はやぶさだよ。
ひと月前に大気圏で
その身を焦がして散った。
その時この星に
1つの命を
産み落としたんだ。
それがあんたに
ぶち当たったのさ。
角に見えたのはきっと
太陽光電池パネルって
やつかなぁ。」
「はやぶさぁ?
何を言ってやがる。
鳥にゃ見えなかったぞ。」
「駄目ですよぉ。
ぬー様はニュースも
新聞も読まない。
世界じょーせーに
疎いんですから。」
女は笑い、蛇みたいに
舌をチロチロ
出し入れしながら
それを恥ずかしそうにして
口元を手で隠す。
わしが睨むと
「さーて、桶の水を
変えてこようかしら」
なーんて言いながら
柄杓を持って頭をたたく。
……ただの近代かぶれの
おぼこ女のくせに
調子いいやつめ。
妙な角を生やしていたが。」
男は手を後ろで組んで
物寂しげに空へ消えた光を
仰いでいたが
一呼吸して答える。
「はやぶさだよ。
ひと月前に大気圏で
その身を焦がして散った。
その時この星に
1つの命を
産み落としたんだ。
それがあんたに
ぶち当たったのさ。
角に見えたのはきっと
太陽光電池パネルって
やつかなぁ。」
「はやぶさぁ?
何を言ってやがる。
鳥にゃ見えなかったぞ。」
「駄目ですよぉ。
ぬー様はニュースも
新聞も読まない。
世界じょーせーに
疎いんですから。」
女は笑い、蛇みたいに
舌をチロチロ
出し入れしながら
それを恥ずかしそうにして
口元を手で隠す。
わしが睨むと
「さーて、桶の水を
変えてこようかしら」
なーんて言いながら
柄杓を持って頭をたたく。
……ただの近代かぶれの
おぼこ女のくせに
調子いいやつめ。