オバケの駐在所

自然と息が上がっていた。

……おかしい！

部屋には誰もいない。
昨日なにかあった？
……思い出せない。

私は母がくれた
マフラーを手にとり
玄関から外へ飛び出した。

交番へ、
昨日のおじさんなら
面識もある！

階段を駆け下り、
夕暮れの町を走りながら、
昨夜の事を振り返った。

小百合さんからの
電話を切った後、
私はすぐ家に帰った。
雨も降っていて、
寒くて、
……シャワーを浴びた
気がする。
その後……いや、
すぐ眠ったはずだ。

一抹の不安がよぎったが
首を横に振った。

それに小百合さんは
家に来ないって言ってた
はず。

賢司は？
……そーいえば音沙汰
ないな。
携帯のメモリから
呼び出し電話をつなげる。