オバケの駐在所
……出ない、か。
コールは鳴り続けていたが
私は気が急いていたせいか
すぐ切ってしまった。
賢司、
家に来た気がするな……。
あの血はまさか……。
私は疲れて
徒歩になっていたが、
その歩みを止め
壁に寄りかかった。
私は賢司を……?
夕暮れの太陽が
私の手を赤く染め上げる。
その手から今にも
血が滲みでてきそうに
思えた。
「よう。
何してるんだ?」
ハっと声がした方に
顔を向けると、
昨日のおまわりさんが
にこやかに手を
あげていた。
私はつい笑みがこぼれる。
「おじさんこそ。
…あ、昨日の坊や。
仲良く散歩ですか?」
おじさんのズボンの裾を
握りながら
どら焼きを手に
ひょっこりとでてくる。
目がなくても
人間らしいその姿は
実に愛おしく感じた。
昨日は恐怖を感じても
今日はまた違う感覚で
見れる。
不思議だな……。
コールは鳴り続けていたが
私は気が急いていたせいか
すぐ切ってしまった。
賢司、
家に来た気がするな……。
あの血はまさか……。
私は疲れて
徒歩になっていたが、
その歩みを止め
壁に寄りかかった。
私は賢司を……?
夕暮れの太陽が
私の手を赤く染め上げる。
その手から今にも
血が滲みでてきそうに
思えた。
「よう。
何してるんだ?」
ハっと声がした方に
顔を向けると、
昨日のおまわりさんが
にこやかに手を
あげていた。
私はつい笑みがこぼれる。
「おじさんこそ。
…あ、昨日の坊や。
仲良く散歩ですか?」
おじさんのズボンの裾を
握りながら
どら焼きを手に
ひょっこりとでてくる。
目がなくても
人間らしいその姿は
実に愛おしく感じた。
昨日は恐怖を感じても
今日はまた違う感覚で
見れる。
不思議だな……。