オバケの駐在所
かけっこには
自信があるほうだけど
しかし所詮
子供の足なんだろう。
追ってきていた鬼はすぐ
私らの前に回り込んで
体中に作った赤い百の目で
ギョロギョロ睨みつけ
とても父とは思えない
笑みを浮かべながら
包丁を構えた。
そんな百目オバケからは
どこへ行っても
もう逃げられないと思って
持っていたバッグを
私は臆しながら
そいつに差し出す。
だけどそれを
渡そうとした時
年下の夏彦くんが
私を守るように手を広げて
鬼の正面へ
立ちはだかったんだ。
「……ふん、
私を蹴ったお仕置きに
水泳袋を持ってる腕を
切り落として
あげようと思ったが
邪魔なガキだ。
まあいい、
お前も美姫も一緒になって
あいつ同様
土に埋めてやる!」
そう叫びながら
狂った鬼は包丁を
思いきり振りかぶる。
私も金切り声をあげた
恐ろしいその瞬間の出来事。
しかし決死の時に
横から激しい勢いで
何かが飛び出し
鬼へとぶつかった。
自信があるほうだけど
しかし所詮
子供の足なんだろう。
追ってきていた鬼はすぐ
私らの前に回り込んで
体中に作った赤い百の目で
ギョロギョロ睨みつけ
とても父とは思えない
笑みを浮かべながら
包丁を構えた。
そんな百目オバケからは
どこへ行っても
もう逃げられないと思って
持っていたバッグを
私は臆しながら
そいつに差し出す。
だけどそれを
渡そうとした時
年下の夏彦くんが
私を守るように手を広げて
鬼の正面へ
立ちはだかったんだ。
「……ふん、
私を蹴ったお仕置きに
水泳袋を持ってる腕を
切り落として
あげようと思ったが
邪魔なガキだ。
まあいい、
お前も美姫も一緒になって
あいつ同様
土に埋めてやる!」
そう叫びながら
狂った鬼は包丁を
思いきり振りかぶる。
私も金切り声をあげた
恐ろしいその瞬間の出来事。
しかし決死の時に
横から激しい勢いで
何かが飛び出し
鬼へとぶつかった。