オバケの駐在所
「この子とも
さっき偶然会ってな。
…ほら、
昨日一緒にいた
お姉さんだ。
覚えてるか?」
そう言っておじさんは
子供の背中を軽く押す。
子供はウンともスンとも
喋らなかったが
手に持っていたどら焼きを
2つに割って
片方を私に
差し出してくれた。
「くれるの?
ありがとう。
坊やは優しいね。」
思い込みというのは
なかなか拭える
ものではない。
認めたくないという
気持ちもあるのだろう。
生への執着は時に
自分が何者かも
わからなくさせてしまう。
まさかどら焼きを
もらうとはね。
……いや、おじさんが
いてこそか。
私はそっと視線を送る。
……聞いてくれるかな。
さっき偶然会ってな。
…ほら、
昨日一緒にいた
お姉さんだ。
覚えてるか?」
そう言っておじさんは
子供の背中を軽く押す。
子供はウンともスンとも
喋らなかったが
手に持っていたどら焼きを
2つに割って
片方を私に
差し出してくれた。
「くれるの?
ありがとう。
坊やは優しいね。」
思い込みというのは
なかなか拭える
ものではない。
認めたくないという
気持ちもあるのだろう。
生への執着は時に
自分が何者かも
わからなくさせてしまう。
まさかどら焼きを
もらうとはね。
……いや、おじさんが
いてこそか。
私はそっと視線を送る。
……聞いてくれるかな。